CHIE 003
二項同体
モダニズムと侘び寂び
神仏習合、和洋折衷。日本には対立する二つの要素を前にして、どちらかに決めるのではなく、両方を抱え込んでしまうという独特の感覚がある。
インテリアの仕事をしていると、シャープな棚板を躯体剥き出しの壁に合わせるように、モダニズムと侘び寂びを自然に併用していることに気づく。しかしながら、この二つはまったくの対立概念だ。人工と自然、ツルツルとザラザラ、恒久と季節——しかし我々の手にかかると、この対立が違和感なく同居する。
AMUAMIの石英シリーズでは、ガラスに漆を塗り重ねた。ガラスはモダニズムを、漆は侘び寂びを体現するシンボリックな素材だ。漆はあえて吹きつけ、刷毛目を残さずクールに仕上げた。それはどこまでもモダンな器である。
しかし十年、五十年と時を重ねるうちに、漆の表面は少しずつ剥げ、下地の色が浮き出てくる。欠けたなら金継ぎをすればいい。使い込むほどに侘び寂びが顔を出す——モダニズムの皮を纏った器が、時間をかけてゆっくりと骨董品になっていく仕掛けである。
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