工場の片隅で、工業用の石英ガラス(人工水晶)のパイプを見つけた。半導体や光ファイバーにも用いられる、極めて純度の高い素材だ。
追い追い思い浮かんだのはEnzo Mariの「Putrella(鋼材)」だ。1958年、彼は建築現場で使われるH鋼に手を加えトレーや花器に仕立てた。工業用の半製品が日用品に転じる。素材はそのままに、文脈だけが入れ変わるという方法だった。
AMUAMIでは石英ガラスのパイプを縦に四分の一にカットして器に仕立てた。
国も時代も素材も違うが、工場から食卓へという転換の精神は、尊敬するEnzo Mariへのオマージュなのである。