CHIE 002
状況の美
桂離宮 霰こぼし
日本でもっとも美しい庭と言われる桂離宮に、霰こぼしと呼ばれる苑路がある。小さな石を敷き詰めたその文様を、庵治石の板に刻んだ。日本が誇る銘石に、日本が誇る庭の記憶を写し取って、家に持ち込む。AMUAMIの敷台を意識した箱の話である。
桜の花びらを一枚のせれば、桂離宮の春がそこに現れる。紅葉を置けば秋を感じるだろう。この石板に何かが出会う時、美が生まれる。
西洋の美は絶対的かつ人工的な秩序のもとに成り立つ。パルテノン神殿は何があってもパルテノン神殿だろう。日本の美は、何かと何かが関わり合う中で立ち上がる。金閣寺は雪の日と春霞の日とでは、まるで別の顔を見せる。組み合わせが変わるたびに、新しく生まれ直すのが我々の美なのだ。
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