1. 長崎に生まれ、モダンデザインに没頭した若者時代

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長崎に生まれ、モダンデザインに没頭した若者時代

立川裕大 ── 伝統技術ディレクター、t.c.k.w 代表、AMUAMI 創業者

1965年、和洋中の文化が混在する長崎に生まれた。家業が工芸を営んでいたわけではない。産地に育ったわけでもない。のちに日本中の職人と組むことになる人物の出発点に、伝統の血筋はなかった。

大学では経済を専攻する傍ら、ファッション、アート、映画に没頭し、とりわけ心を奪われたのがモダンデザインの世界だった。20歳の時に六本木にあったカッシーナのショールームで目の当たりにした、ル・コルビュジエのソファ、ジオ・ポンティの椅子、アキッレ・カスティリオーニの照明、マリオ・ベリーニのインテリアデザインに大きな衝撃を受けたのだ。1988年、カッシーナの日本法人に入る。イタリアの家具を、日本の建築家やインテリアデザイナーに売り込む仕事の中で、一流が手がける最前線の空間デザインを体感することができた。その後は家具のセレクトショップに移り世界各国のモダンデザインを店頭で販売することで、デザイン全般の知識を飛躍的に広げた。売る側にいた11年で、時代を超えて愛されるものと、一過性の流行として消費されていくものを、両方見てきた。売る現場での経験は、あとで効いてくる。

1999年、33歳で独立し、株式会社 t.c.k.w を興すに至る。